ラッキーナンバー
 


「もしかして、和音ちゃん日頃聖斗に意地悪されてるー?」

「え…」



意地悪、っていうか…



「嫌がらせなら、たまに」



本当は毎日のように受けてますけどね



「そうなの!?
やー、聖斗ってば昔から気になる女の子にはいっつも意地悪しちゃうのよー!ほら、好きな子にイタズラしちゃう小学生みたいな感じー?
でも、悪気はないから、仲良くしてあげてねぇ」



気になる女の子…?

仲良く、って…

彼女だからそんなこと言うの?


彼女の余裕?

なんだろう、胸の辺りがズキズキする。

なんで私は、こんなふうにしか思えないんだろう。

顔だけじゃなく、心まで醜い

こんな美人な人に、昔から志築くんのことを知っている人に、勝てるわけがない。

元々、勝とうとも思っていなかったけど…



「あっ!私、中学の時バレー部だったのよねー!体育館、行きたいなっ」



悔しい、

私はすべてに置いて、負けてる気がして。



< 175 / 212 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop