ラッキーナンバー
 


ただぼーっとつっ立っている私の腕を掴み、顔を覗き込む芹来さん。



「ほら、行こう?和音ちゃん」

「………あの」

「どうしたのっ?大丈夫?具合でも悪いー?」



なんでもないのに、心配させちゃってる…

私は本当に心が汚い

こんないい人に、嫉妬するなんて



「芹来さんは…」

「え?」

「芹来さんは、志築くんのこと、好きですか?」



真っ直ぐに、目を見て聞く。

芹来さんは一瞬目を見開いて、すぐににっこりと笑って言った。



「嫌いなわけないじゃない、大好きよ」



そっか…



「志築くん、意地悪はするけど、友達の私から見てもとても素敵だと思いますよ」



芹来さんは彼女で、私は友達

二人はお似合いで、私はただの邪魔者で…


だから……



「ありがとう、和音ちゃん」



志築くんのこと、好きなのやめる。

きっと諦めるから

もう少しだけ待ってて下さい。



好きだったことが、勘違いだったって思えるようになる、その時まで…



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