ラッキーナンバー
 


「あー!楽しかった!!」



玄関を出て、校門の前。


芹来さんが
んー、と背伸びをする。


気付けば長いこと学校中を案内していて、もうすぐ4時間目が始まる時間だった。



「今日はごめんねぇ、無理矢理付き合わせちゃってー」

「あ、いえ大丈夫です。」



芹来さんみたいないい人が、志築くんの彼女でよかったなぁって、思えたし。



「でも、聖斗居なくて残念っ
どこ行ったのかなー」



あ…すみません、それ私がどっか行けって言ったせいです



「あ、え、えっと、また来て下さいねっ!
それで、今度は志築くんに案内してもらうといいですよ!!」

「うん、そうね」



芹来さんは優しく笑い、下を向く。

そして、なぜかいじけている子供のように、後ろで腕を組み、ヒールのある靴の踵をカッと地面に当てた。



「でも、またしばらく日本を離れるのよ…明後日にはアメリカに発たなきゃならないしぃー…
あ、私達実は会社経営しててね、世界各国飛び回ってるの」



会社…けい…え…い?

す…すげー!!!



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