ラッキーナンバー
「先生っ!私和音の分まで授業頑張って受けるから、行かせてあげて?」
前の席の茉莉華が、立ち上がって言う。
「茉莉華…!」
「いや、そーゆー問題じゃなくてなぁ」
「はいはーい
じゃあ俺も頑張る」
いつからいたのか、朝のHR中にも関わらず、ドアからアキくんが手を挙げた。
「つーかお前、違うクラスだろ」
だけど先生はそれをサラッと流し、再び私に目を向ける。
「とにかくなぁ、認められるわけねぇだろうが」
「息子の頼みでも?」
そう言ってアキくんの後ろから顔を覗かせたのは…
「くっ、くるめくん!!!」
え…てか、
今息子って言った!!?
「む…息子って…!!!」
「あれ?和音知らなかったの?」
茉莉華が私の方に振り返って首を傾げる。
「先生の名字も、浅川じゃん」
どうりで…!
今まで名字が出てこなかったわけだよ!!!