ラッキーナンバー
 


「芹来さん…っ!」



私が志築くんのマンションまで行くと、二人がタクシーのトランクに荷物を詰めている所だった。



「和音ちゃぁーん!!!」



芹来さんはとびきりの笑顔で出迎えてくれて、だけど志築くんはそれとは正反対に眉間にシワを寄せて私を見た。


そんなに、私が邪魔?

でも、決めたんだもん、絶対に伝えるまで帰らないんだから。



「もう、来てくれるか心配だったのぉ
聖斗が失礼なメール送っちゃったんでしょう?ごめんね?
それに予定より出発が速くなっちゃってぇ、また会えるか不安だったのー!
でも、来てくれてよかったぁ!!」



芹来さんは息継ぎもせずにそう言うと、私に抱きついた。



「つーか芹来、時間」



志築くんが時計を見て言う。

芹来さんは名残惜しそうに私から離れて、それからにっこりと笑った。



「もうお別れね和音ちゃん
私はダーリンが待ってるから、もう帰らないと」



ダーリン…って



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