ラッキーナンバー
うぁああぁああ
と恥ずかしさのあまり一人で唸っている私に、芹来さんが手招きをする。
それに従って近寄ると、芹来さんは私の耳元に口を寄せ、小さな声で言った。
「私ね、聖斗と和音ちゃんが仲良しになってくれればいいなぁ、って思ってるの
それであわよくば付き合ってくれたらなぁって」
「え…」
「聖斗、性格はちょっとひねくれてるけど、顔と頭は一応いいし
だから、彼氏にどう?」
志築くんが…私の彼氏に?
「何言ってんだお前は」
話を聞いていたらしい志築くんが、横から出てきて私から芹来さんを引きはがした。
「盗み聞きなんて、趣味悪いわよ聖斗」
「別に聞きたくて聞いたわけじゃねぇよ、芹来の声がデカイだけだっつーの」
「なによぉ」
2人の会話は、全然耳に入って来なかった。
私の頭の中は、さっきの芹来さんの話でいっぱいで…