ラッキーナンバー
 


うぁああぁああ

と恥ずかしさのあまり一人で唸っている私に、芹来さんが手招きをする。

それに従って近寄ると、芹来さんは私の耳元に口を寄せ、小さな声で言った。



「私ね、聖斗と和音ちゃんが仲良しになってくれればいいなぁ、って思ってるの
それであわよくば付き合ってくれたらなぁって」

「え…」

「聖斗、性格はちょっとひねくれてるけど、顔と頭は一応いいし
だから、彼氏にどう?」



志築くんが…私の彼氏に?



「何言ってんだお前は」



話を聞いていたらしい志築くんが、横から出てきて私から芹来さんを引きはがした。



「盗み聞きなんて、趣味悪いわよ聖斗」

「別に聞きたくて聞いたわけじゃねぇよ、芹来の声がデカイだけだっつーの」

「なによぉ」



2人の会話は、全然耳に入って来なかった。

私の頭の中は、さっきの芹来さんの話でいっぱいで…



< 195 / 212 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop