ラッキーナンバー
何か返さなきゃ、そう思うのに
嬉しくて、なんて言ったらいいのかわからなくて、声が出ない。
「…言っとくけど、KINGの言うことは絶対だからな」
そう言って志築くんは、腕を組みながら私の目を見てニヤッと笑う。
「だからお前、俺と付き合え」
なに…それ……
私は自分の掌をギュッと握り締めた。
そしてとびきり大きな声で言う
「バっっっっカじゃないの!?」
肝心なとこでぬけてるよ、志築くんは
「私が機嫌悪かったのは、芹来さんに嫉妬してたからだよ」
だから"大嫌い"だなんて、思ってもいないことを言ってしまったんだ。
「今日来たのだって、志築くんに冷たくされて傷ついたからだし」
本当は、来るつもりじゃなかったのに
「それに、ちゃんと素直に、なりたかったから…」
だから、気付いてよ
私の気持ちに。