ラッキーナンバー
絶対受かってもう一度会ってお礼を言いたい!
でもなぁ、私の学力じゃ高校に受かれる気がしない…
私はカバンの中からこの前のテストの得点表を取り出した。
『……………ハァ』
国語 50
数学 25
理科 34
社会 32
英語 44
見事に5教科全滅
そりゃため息も出ますよ…
『うっわ、こんな点とるやついんだ』
『はっ!?』
後ろを振り向くと学ランを着た茶髪の男が立っていた。
ちょっと…今の発言は失礼じゃない?
それにあんたの方が私より全然頭悪そうだし
『つか、お前どこ高受ける気?』
てか初対面の人にお前って…!
『東桜高校…』
―ヴーッ…ヴーッ…
『あ、せりら?』
人が話してる時に電話!出んなよ!!
人の得点表は勝手に覗き込むし、自分から聞いといて人の話は聞かないし、なんなのこの非常識男!?
男は電話を終えると携帯をとじた。
『またなバカ女』
『は?』
男はニヤッと笑うとどこかへ行ってしまった。
『きも!』
"また"なんて絶対ない!
そう思ってたのに…この時までは…