ラッキーナンバー
『じゃあ先生、"恋"って何だと思います?』
『は?』
なんの意図があって、そんなことを聞いてくんのか、俺にはわけがわからなかった。
俺が答えに困っていると、代わりに先生が答えた。
『直感なんです、恋は』
『直感…?』
『例えば、先生が担当している数学
私は正直今まで数学を勉強する意味がわかりませんでした。学生の時に習った公式なんか、普段使うことはなかったし、+−×÷の計算さえ出来ていれば、必要ないんじゃないかとも思っていました。』
なにが、言いたいんだこの人は。
『だけど先生は数学を好んでいますよね?』
『まぁ、一応』
『だから私も興味がわきました。なぜ、数学を好きになれる人がいるのか、何が面白いのか』
言ってから先生はまた機械的に笑う。
『そしたら私も自然と数学を好きになり、次は浅川先生に興味を持ちました。』