ラッキーナンバー
 


そりゃ確かに、意味わかんないままケガさせられてむかつくけど…



「私がいいって言ってるんだから、いーのっ!」



にっこりと女の子たちに笑いかける

まるで天使を見るような輝いた瞳で見つめられた。



「でもそのかわり、一つだけお願い聞いてくれる…?」



当然、3人は勢いよく頷いて、私を見る。

ラッキー!



「テレビ、買ってくれない?」

「「「え…」」」



笑顔で私が言うと、3人は固まってお互い顔を見合わせる。



「だって普通だったらー、こんなことしたら停学くらいにはなるよねぇ?でも、私優しいからー先生たちに言わないであげてるんだよぉ?」

「えっ…と……」

「買って、くれるよね?」



今日1番の笑顔を見せると、女の子たちは今日1番首を振って頷いた。



「まじ…どんだけテレビ欲しかったんだよ」



数日後、私の家には立派な地デジ対応テレビが届いた。

きっとお店で1番高い、大きな大きなテレビ。



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