ラッキーナンバー
甘ーい空間
ガラッ、と音がして
教室の戸が開く。
「ごめん、遅れて」
「くるめくん!」
来てくれたんだ…!
くるめくんはさっきまで志築くんが座っていた席に座ると、一息ついた。
「あの…どうしたの?」
「あぁ、ちょっと先生に頼まれ事してて」
そう言ってくるめくんは、うっすらと額に浮かぶ汗をセーターの袖でふく。
その光景がなんだかあまりにも爽やかすぎて、この人の汗になりたいとさえ思った。
「てかっ、走ってきたの?」
「うん、坂下さんが待ってるから早く行かなきゃって思ったから」
そんな…くるめくんのためならいつまででも待ってるのに!
「なんか、無理にごめんね」
「あ、ううん
僕も早く教えに来たかったから」
くるめくんがニコッと笑う
「って、なんか俺すごい上から目線だね」
「そっ、そんなことないよ!」
その笑顔、反則
何回見ても慣れない
いつ見てもドキドキする