ラッキーナンバー
「あっ」
コトン、と机から消しゴムが落ちる。
それを拾おうとすると、私の手の上にくるめくんの手がかさなった。
「あ、ごめん!」
「うっ、ううん全然!」
恥ずかしくて、そのまま急いで消しゴムを拾って下を向く。
すこしだけ
手が、触れた…
ほんの数秒、ほんの一瞬だったけど
それなのにものすごくドキドキしてる
「あ…あのさ、坂下さん…」
「えっ?」
くるめくんに名前を呼ばれて、顔を上げる。
「よぉ、出来たか最下位」
だけど次に続いた言葉は、くるめくんのものじゃなかった。
「ちょっと…
最下位って呼ぶの、やめてよ」
志築聖斗、またこの男のせいで
せっかくの甘い空気が台無しになってしまった。