ラッキーナンバー
 


志築くんは缶ジュースの蓋をあけながら、こちらに近づいてきた。



「それより解けたのかよ」



こいつ、私なんかに絶対解けないって思ってたな?



「ふんっ、見て驚かないでよ
かんっっっぺきなんだから!!!」



私は自慢気にさっき解いた問題を見せた。



「へー、マジで出来たんじゃん」



もっと驚くかと思ってたけど

意外と志築くんは普通のリアクションで、なんだかつまらなかった。



「でもっ、ほんとくるめくんって教え方上手だよねー!誰かさんと違って!!」



嫌味ったらしくそう言ってから、横目で志築くんを見た。



「は?なんだよそれ俺のことか?」

「志築くん以外誰がいるっていうの?」

「まずてめぇには教えてもらうっつー態度がなってねーんだよ」

「別に志築くんになんか教えてもらおうと思ってなかったし!」



言ってから、ふいっとそっぽを向いた。



< 48 / 212 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop