ラッキーナンバー
志築くんは缶ジュースの蓋をあけながら、こちらに近づいてきた。
「それより解けたのかよ」
こいつ、私なんかに絶対解けないって思ってたな?
「ふんっ、見て驚かないでよ
かんっっっぺきなんだから!!!」
私は自慢気にさっき解いた問題を見せた。
「へー、マジで出来たんじゃん」
もっと驚くかと思ってたけど
意外と志築くんは普通のリアクションで、なんだかつまらなかった。
「でもっ、ほんとくるめくんって教え方上手だよねー!誰かさんと違って!!」
嫌味ったらしくそう言ってから、横目で志築くんを見た。
「は?なんだよそれ俺のことか?」
「志築くん以外誰がいるっていうの?」
「まずてめぇには教えてもらうっつー態度がなってねーんだよ」
「別に志築くんになんか教えてもらおうと思ってなかったし!」
言ってから、ふいっとそっぽを向いた。