ラッキーナンバー
二人きりの帰り道
あれは確か、私がまだ小さかったころの出来事
飲み会に行ってたお母さんが、ベロンベロンに酔っ払って帰って来たんだ。
「おかあさん、おさけくさいよぉ」
「きゃー和音ちゃーん
今日もかわいいでちゅねー」
テンションが、明らかにおかしかった。
「和音ちゃんはぁ、
お母さんのことしゅきでしゅかぁ?」
確かそんなことを聞かれて、子供だった私はもちろん素直に答えた。
「えー?すきだよぉ?」
「きゃーママもしゅきしゅきーっ」
その言葉を聞いたお母さんは、私にギュッと強く抱きついてきて、それで…
「だいしゅきだから
ちゅーしちゃうーっ」
「え、おかっ…」
ぶちゅっ、と音を立てて
お母さんは私のファーストキスをあっさりと奪ってしまったのだった。