ラッキーナンバー
あの後、私は二人を教室に残し、急いで水飲み場に来ていた。
蛇口をひねり、バシャバシャと顔全体に水をかける。
ありえない!あの男!!
さっきのこと、思い出しただけで鳥肌がたつ。
「最悪だよ…ほんと…」
ハァーと深いため息をつきながら、今度は逆向きに蛇口をひねった。
するとスッと横から手がのびてきて、白いフワフワな物が差し出される。
「はい、タオル」
そこにはニコッと笑ったくるめくんがいた。
「今日、ちょうど体育あったから、それで。あ、でも使ってないやつだから、安心して」
くるめくん…
くるめくんの汗の染みたタオルなら、使用済でも全然OKなんですけど
ってかむしろそのほうが…
なんて変態なことを考えながら、有り難くタオルを受け取った。
「ありがとう…」
「うん」