ラッキーナンバー
二人きりの帰り道
緊張して何も話せないでいる私をよそに、くるめくんが口を開いた。
「あのさ…坂下さんは、志築くんと付き合ってるの?」
「えっ!?まさか!ありえないよ!!」
思いがけない質問に、慌てて否定する。
きっとくるめくんが誤解してるのは、さっきあの男が私にキ…あんなことをしたからだ
「さっきのは事故なのっ!てかっ、あいつの嫌がらせ!!
だから忘れて!ね!」
「そうなんだ」
必死にそう伝えると、くるめくんはふっと笑って頷いてくれた。
「じゃあさ、今好きな人とかって、いる?」
すっ…!?
好きな人なんて…そりゃ…
「いっ、いるよ!」
今、目の前に。
なんちゃって
そんなの本人は絶対に気づいてないだろうけど、なんだか恥ずかしくなって下を向いた。