ラッキーナンバー
 


コンコンと弱くノックをしてドアに手をかける。



「しっ…しつれーします」



でもこのドアを開けたら入学取り消しになっちゃう…!



「やっぱ無理!!」



引き返そうとして手を離すと内側からドアが開いた。



「待ってましたよ」

「ひっ!」



ビックリして思わず変な声が出た。



「どーぞ」



生徒会長らしき人はそう言って私を中に入れるとニッコリ笑ってドアを閉めた。

その笑顔が怖い…



「あの…」

「おめでとうございます」

「へ?」



生徒会長を見るとなぜか満面の笑み

あの…何に対してのおめでとうなのかわけがわからないんですけど…



「この学校で代々伝わってきた"KING"という制度のことは知ってますよね?」

「きんぐ…?」

「入学テストで一番の成績を残した人に与えられる称号です」



えっと…それと私と何の関係が…

だってテスト空欄だらけだったし…だからまさか私がテストで一番なわけないし…



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