ラッキーナンバー
お祭りデート
待ちに待ったお祭り当日
お母さんに浴衣を出してもらって、着せてもらう。
「ふふふ…」
「何よ、和音にやにやしてぇ」
不気味に笑う私の顔をお母さんが覗き込む。
「急に浴衣出してなんて言うから、何かと思ったけど、さては男の子と出かけるのね?」
さすがお母さんだ。
って、こんなあからさまにウキウキしてたら、誰だってわかるか。
「ふふふふふ…」
「あんた男の子の前ではその笑い方やめなねぇ?」
そう言ってお母さんは浴衣の帯をギュッと閉めた。
「…わおん………」
ヨタヨタとおばあちゃんが近づいてくる
私の名前を間違えるのは、いつものこと
何度言っても間違えるから、もう年だからって諦めてる。
おばあちゃんの中では私は"わおん"なんだ。
「わおん…これ……」
「ん?おばあちゃん何これ」
そんなおばあちゃんが私に小さな箱を差し出してきた。