ラッキーナンバー
 


大変恐縮しながらも、コッソリ浴衣の裾で手を拭いて、そっとくるめくんと手を繋いだ。

わぁ、好きな人と手を繋ぐって、こういう感覚なんだ…

男の子と手を繋いだのなんか、きっと小学校の時の運動会以来だよ

だから、こんなにドキドキするのなんて初めてなんだよ



「坂下さん」

「ふぇっ?」



急に名前を呼ばれて、変な返事が出てしまった。

慌てて口を抑える私に、くるめくんはいつもみたいににっこり笑って言った。



「浴衣、似合ってるね」



ほ…ほめられた…


着てきてよかったよぉお

ありがとうお母さーーーん!!!



心の中で、お母さんに思いっきり感謝した。



それから、

りんご飴買ったり…
金魚をすくってみたり…
チョコバナナも食べたりして…

やっぱり、楽しい時間ってあっという間にすぎちゃって…



もしくるめくんと付き合えたら、毎日こんなに楽しいのかなぁ…?

なんて、考えた。



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