ラッキーナンバー
『ん?どうしたのおばあちゃん』
おばあちゃんが私の頭を指差して、話し始める
『…そのかんざしはねぇ、おばあちゃんがおじいちゃんの前にお付き合いしてた人がくれたものなの…』
え!!!?
そんな物、とっておいていいの!?
ってか私もつけちゃってていいの!?
『…別れる時にね……"君にふさわしい運命の人の元へ、このかんざしがきっと導いてくれるよ"って…言われて…
そのかんざしは、その人が初めてくれた、最後のプレゼントだった』
なんかそれって、複雑…
『…別れた日はちょうど夏祭りの日だった…』
『今日、みたいな?』
『うん、それで…その日の一番最後に話した男の人が……和音のおじいちゃん…』
おじいちゃん…と?
そうか、だから、このかんざしはおばあちゃんの宝物なんだ…
『じゃあもしかしたら、私が今日一番最後に話した人が未来の旦那さんになるかもね!』
運命の人の元へ、導いてくれたから
『そうだねぇ…』