ラッキーナンバー
「言ってみろよ、なぁ」
私を睨みつけながら、志築くんがジリジリと近づいて来る
「え、いや…えっとぉ…」
頭の中で、必死に何かいい回答を探す
「お、オヒサマはいつも、あなたの心の中にっ」
「……………」
人差し指を立てながら、首をくいっと傾げてウインクをする。
「何言ってんだ、お前」
意味わかんねー、と続けて
私に冷めた視線を送る志築くん
うん、今のは我ながらイタイと思った。
「まぁ、1番悪いのはその辺につっ立ってた志築くんだけど…一応水かけてごめんね」
「その発言、色々と間違ってねぇ?」
私は志築くんの言葉を流して
奇跡的にポケットの中に入っていたハンカチを取り出し、トントンと志築のくんの顔を拭いてあげた。
「でも化粧してたら確実に落ちてたねー」
「男がするかよ」