ラッキーナンバー
「いや、そんなことしたって大した変わんないって」
どうせいつもワックスで立ててんじゃん、髪の毛。
「るせー…俺はいつも完璧じゃねーとアレなんだよ」
「うわ、あんたが完璧なんていつ決まったの」
そして"アレ"って何よ、と色々とツッコミたかったけれど
一応相手は病人なわけだし、出来るだけ攻撃は最小限にとどめてあげた。
「って、ゆーか…
今日来たのは別にっ、心配したとかじゃなくて、全然違くて、その、志築くんのの鼻たらしてる顔を見てやろうと思って…ね!!」
フンッと鼻を鳴らして堂々と吐き捨てると、志築くんはげんなりとして私に言った。
「…素直に言えよ、心配したって」
「だっ、誰が!!!」
思ってもないこと、言えるわけないってーの!
「じゃっ、じゃあアホ顔も見れたことだし、帰るからっ!」
「は?帰んのかよ」
「帰るよ!用も無いしね!!」