ラッキーナンバー
当たり前でしょ、と言って
志築くんにお見舞いの品を渡す。
「じゃあね」
「まっ…ゴホッ…ケホッ…」
私が帰ろうとすると、志築くんは急に苦しそうに咳をし始めた。
「え、何っ
だいじょーぶ!?」
慌てて背中をさすってあげると
水を要求されて、でも私はそんなもの持ってるわけもなくて
仕方なく…
「ちょっと、お邪魔するからね!」
そう志築くんに断って、部屋の中に入った。
「えーとコップ…どれでもいっか!」
それからキッチンに向かって、食器棚からコップを取り出し、水道水を注ぐ。
急いでそれを玄関まで持っていこうと振り返ると
なぜかそこには先ほどまであんなに苦しそうにしてた志築くんが、ケロッとした顔をして立っていた。
「俺さー、ミネラルウォーターしか飲まねぇんだけど」
そしてそんなことを言い始めた。