ラッキーナンバー
 


一体なんなんだ、この男は。



「具合悪いんじゃ…」

「いやー実はゲームにも飽きてきてちょうど暇で、お前来てラッキー
だからまぁゆっくりしてけよ」



そう言う男は冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出して呑気にそれをラッパ飲みした。

リビングに目をやると、テーブルの上には電源がついたままのDSが置かれていた。



「な!」

「な、じゃねー!!!」



なに爽やかに笑ってんだ!

まさかさっきは私を引き留めるためにわざと具合悪いフリしたの!?

しかも暇っていう理由で!



「騙したね!!?」

「はっ、こんなんで騙されるなんてやっぱりお前バカ……―っ」



話している途中で、今度は頭をおさえてガタンと床に膝をつく。

手からすり抜けたペットボトルが地面に落ちてあっという間に水溜まりを作った。



「ふんっ、そんな迫真の演技したって2度も騙されないんだからねっ!」

「……………っ」

「だからもうそういうのいいって……志築くん?」



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