雨の後は、きっと虹がかかる


教室の中が、異様な静けさで入るのを躊躇わせた。


「……おはよ、陽」


中から夏希が私を手招きで招き入れる。


なんだろうと思いながら、教室に入り、とりあえず挨拶だけする。


「おはよう、夏希」


そう言った瞬間、私の後ろでバチンという大きな音が聞こえた。


「やっぱりお前、生意気だわ。」


上村さん?


なんで、怒っているの?


「……ご、ごめんなさい……!」


「何口答えしようとしてんだよ!」


またビンタされる。確か……、大山さん。


何これ。……いじめ?


上村さんは、何をしているの?


どうして大山さんを叩いているの?


なんで?


私の頭の中は疑問でいっぱいになった。


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