雨の後は、きっと虹がかかる
「日常」に戻って何日か過ぎた。
「では今からパス練習をするので2人1組になってー」
体育は一番の地獄だ。
特にこういうバスケとか、練習相手の必要なスポーツは。
前期にやっていた陸上は、完全に個人競技だから自分だけで出来た。
でも今は違う。団体スポーツだ。
しかも男女別れての授業だから教室以上に陰湿になる。
「あれ、星野は余りか?
確か今日は斎藤が休みだから偶数になるはずだが。」
「あー、センセー、星野さん1人でやりたいみたいですよー。
ねえ、星野さん。」
あの先生はいじめの事実を知っている。
それでいて何もしないから、面倒事を起こしたくないのだろう。
そして彼は上村さんに好意を持っている。
だからこそ余計に彼女の機嫌を損ねたくないのだ。