雨の後は、きっと虹がかかる


この時は仮面を被ってでも私のところに来てくれるかと思った。


でも、コートにいる人も、ギャラリーも冷めた目つきで見ていた。


私が点数を決めることがいけないの?


その後は何も言われなかったけれど、冷たい視線ばかりが突き刺さった。


「星野さん!」

「ほら!ちゃんと取ってよ!」

「星野さーん!」

「あんな所までボール行っちゃったから取ってきてよ」

「アハハ!馬鹿じゃないの!」

「キャッチしてよー!」

「ちゃんと走りなよ!」


チームの人は私にしかボールを渡さない。


もうヘトヘトだ。


こんな状態でゴールなんて入る訳がない。


外したら外したで思いっきり罵倒される。


そしてボールを投げつける。


さっきも顔に当たってしまった。


痛くはないけれど、その後の傷を考えるとつらい。


< 105 / 243 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop