雨の後は、きっと虹がかかる

早く終われ、と思うのになかなか終わらない。


残り1分を切ったあたりからずっと後少しと言い聞かせてきた。


「あと10秒！

星野さーん！ラスト！」


最後のボールは1番強いボールだった。


突き指でボロボロになった手でどうにかキャッチして、最後のシュートを放った。


ゴールを決めたと同時に試合も終わり、ほっとした。


「ありがとうございましたー」


上村さんは言い終わってから私を水道まで連れて行った。


「星野さん、シュート何本外した？」


……は？覚えていないでしょ。


でも声が出ない。


まただ。なんでだろう。


おまけに体すら動かせない。


「あたしさ、星野さんに期待していたんだよ。

出来るって思っていた。

でもなんにも出来ないよね。負けたし。

キャッチだって出来ないし、シュートだって半分以上外しているし。

このクラスにいる資格、ないよ。」