雨の後は、きっと虹がかかる
……何をしたいの?
「すっごいむかつく。
その無表情も、声出さないのも。」
上村さんは私の髪の毛を思いっきり掴んで蛇口に顔を突っ込ませた。
なんで水が溜まっていたことに気付かなかったんだろう。
……苦しいっ……
「なんにも言わないんだねえ。」
遠くで上村さんの声がする。
あまりの苦しさに、思わず顔を上げた。
「かはっ……」
「顔上げんなよっ!死ねよ!」
また水中に押し込められる。
だんだん手足に力が入らなくなっていく。
痙攣もしてきた。
これ以上立つのはしんどくて、膝ががくんと床に着いた。
「……やばいよ!」
「顔、上げさせなよ、沙紀!」
そこで私は意識が途絶えた。