雨の後は、きっと虹がかかる
「……俺、星野が運動出来なさそうに見えないんだけど。」
「……それは、先入観でしょう?」
ぎくりとした。
中学生の時、私はバスケ部に入っていたから。
「俺さ、」
そこで言葉が切れた。
「や、何でもない。」
「……そう。」
何も知らないようで安心した。
「……何かあったら、すぐに言えよ。
今日は気絶だけで済んだけれど、次は……、ないかもしれないから。」
「……そう、だね。」
殺されるということを言いたいのだと分かった。
「……なんで、だろうね。
……どうして、私だったんだろう……。」
ずっと思っていたけれど言えなかったことがいとも簡単に出てきた。
自分でも自分のことが分からない。