雨の後は、きっと虹がかかる


またもう1発、ビンタが出そうな時、気づくと私は飛び出していた。


さすがに我慢出来ない。


頬にまともなビンタをくらう。


大山さんと上村さんの間に立ったから、当然のことなんだけど。


バチンという音の直後に、痛みがきた。


「……ほ、星野さん!?」


「何やってんの!?陽!」


夏希が言う。


「へぇ。こいつのこと、庇うんだ。」


上村さんがいかにも不服そうな顔で言った。


「いじめとか、みっともない。

高2にもなって、何やってんの?」


「じゃあ今からあんたがいじめられる役ね。」


……何を言っているの?


「いじめられたくなければ黙って見ていれば良かったのに、馬鹿だね。

みんないい?

今からこいつの味方をした人は、ターゲットね!」


見渡すと、誰もが大人しく頷いていた。


それで私は彼女の権力が絶大なことは本当なんだと知った。


1年の時から噂程度には聞いていたけれど、これほどまでとは思わなかった。


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