雨の後は、きっと虹がかかる
「というわけで、今からあんたの周りには味方は誰もいないから。
よろしくね、星野さん。」
通りすがりに、きつく肩を掴まれた。
ぐっと爪が喰い込んで痛い。
何かを言おうとしたけれど、不思議と言えなかった。
もしかすると、これがいじめの恐怖なのかもしれない。
まだ現実が信じられなくて、夏希に声を掛けた。
「ねえ、なつ……」
言い終わらないうちに私の前から消えた。
……本当にいじめが始まった。
それほどの苦しさは感じなかった。
たぶん、私は人にあまり執着するタイプではないからかもしれない。
それが仇となって、私の周りには今、味方はいない。