雨の後は、きっと虹がかかる
昼休みの今、お弁当が無くなっていた。
……机の横に掛けたはずなのに。
ないと思うけれど、ロッカーの中も探した。
……ない。
教室に入ると、くすくす笑う声がした。
視線だけ教室中に滑らせると、案の定、上村さんを中心に笑っていた。
「なあにー?やだー、こっわーい。あの目。」
絶対私の弁当を隠したと思う。
「……私の弁当、知らない?」
「知らなあい。あんたの弁当を隠すほど暇じゃないからー。」
……あとはどこを探せばいいの?
平気なふりをして席に戻ると、お弁当があった。
中身を確認すると、ぐちゃぐちゃだった。
これでは食べられないと思って、購買に行こうと席を立つと声を掛けられた。
「どうしたのー?星野さん」