雨の後は、きっと虹がかかる


悔しくて、何か一言でも言うと泣きそうだったから何も言えなかった。


「………」


「お弁当、あるんじゃないの?」


取り巻きがくすくす笑う。


「もしかしてお弁当、食べられないほど汚かったの?

やっだー。腐った物ばっかり入れて来て!」


……腐った物なんて、何一つ入れていない。


少なくとも、あんた達の心より綺麗なものを入れている。


ぐっと唇を噛んで耐えた。


ちょうど予鈴が鳴って、結局この日の昼食は取れなかった。


……家まで我慢しよう。


「邪魔。」


机の前に突っ立っていると、お腹を肘打ちされた。


「………っ」


肘打ちの痛みと共に、いろんな痛みが一気に押し寄せてきた。


< 16 / 243 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop