雨の後は、きっと虹がかかる
「2人も、私と同じ気持ちを経験したんだね。」
「そうだよ!
この気持ちは味わっておかないと損だよ!
あたしは女子高だから最近は機会はないけれど。
陽は共学なんだから!」
「はあ。」
「本当に分からないの?!」
「……まあ、初めてだから。
なんか恥ずかしいの。」
愛華がため息をついた。
「いい?
それはね、雪村くんのことが好きってことなんだよ。」
時間が止まった。
店内の喧噪が遠ざかる。
……私は、雪村くんのことが、好き。
その「好き」は、友達としてでなく、恋としての「好き」。
今やっと分かった。
……ああ、そうか。
私、恋をしていたんだ。