雨の後は、きっと虹がかかる
「そうなんだよー、だから短大でもいいから行かないと。」
「ね!陽は何になりたいの?」
聞かれる度に答えが見えなくなっていく。
ずっと考え続けて、それでも答えの出ることのなかった問い。
小さい時は何にでもなれると思っていたけれど、現実をどんどん知っていって身動きがとれなくなっていく。
「……私は、とりあえず大学に行くことかな。」
勉強を頑張って自分の中でいちばんレベルの高い所に行きたい。
「おおー堅実路線行くね!」
「何をやりたいか見えない、から。」
「ふうん、陽なら出来そうなこと、たくさんありそうだけど意外。」
ポテトをつまみながら栞がつぶやく。
「愛華と栞の方が凄いよ。
やりたいこと、もう決まっているじゃん。」