雨の後は、きっと虹がかかる
「……雪村くん……?」
「……星野。」
なんでこんな所に?
「ごめんっ!」
いきなり頭を下げられた。
「勝手に家まで来て、ごめん!」
「……え、と、大丈夫だよ……。
でも、なんで?」
「担任に言われたんだ。
星野の勉強を見てやってくれって。
授業、どこまで進んでいるか、分からないだろ?」
それでわざわざ来てくれたんだ。
「ありがとう。
でも大丈夫だよ。
同じくらいのところを勉強しているから。」
「なんだ、よかった。
じゃあまた。」
空気を白く染めて、帰ろうとしていた。
「……待って……!
寒い中来てくれたんだし、上がっていかない?」
歩き出した背中が止まる。
それから、冬に溶けるように笑って、頷いた。