雨の後は、きっと虹がかかる
夜になると、やっぱり散歩をしたくなった。
あっという間に夏の陽気に変わったので、最近は歩きやすい。
半袖でちょうどいいくらい。
気まぐれに、今日は自転車で移動してみようとふと思った。
久しぶりに乗る自転車は、変な感じがした。
しばらく乗るうちに、シャーシャーと地面と擦れる音が心地よくなってきた。
・・・海にでも行こうか。
あと10分くらい走れば着くはず。
そう思って思いっきり漕ぎだした瞬間、涙で溢れた。
目の前からくる風のせいもあるけれど、なんで庇った私がいじめられないといけないのかという不本意からくる涙だった。
「……どうして私がっ……」
私の小さな呟きは、夜に飲み込まれていった。