雨の後は、きっと虹がかかる


しばらくぼんやりと海を眺めていると、後ろの方でがさりと音がした。


……誰だろう。


後ろを振り向いた時には音の正体はなく、疑問ばかりが残った。


……野生のウサギかもしれない。


それでなくとも、人かもしれないと思うと怖くなって、自転車に乗って帰った。


「……誰かに見られたら、恥ずかしいなあ」


国道に沿って走っている時、そんなくだらないことを考えていた。


こんなことを考えるくらいの余裕があるなら、たぶんあの学校生活も頑張れると思えてきた。



その後、家に着いてからはまたすぐに寝てしまった。


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