雨の後は、きっと虹がかかる
「……いいけれど、何かあれば呼ぶように。」
「ありがとうございます。」
先生は屋上を出て行った。
話そうとしたけれど、予想外の先生の観察力に驚いて話せなかった。
「あのさぁ、みんな、人のことを殺しかけておいてどうなの?」
雪村くんが沈黙を破った。
「まあ見て見ぬ振りをしていた俺が言うのもどうかと思うけど。」
決まり悪そうに頭をがしがしかいていた。
「……別に、ウチらは手を出したわけじゃない。」
しばらくして、田村さんが口を開いた。
普段のふわふわした雰囲気からはかなりかけ離れた声をしている。
「……何それ。じゃああたし達が全部悪いの?」
上村さんが怒気を含んだ声で反抗する。