雨の後は、きっと虹がかかる


「……そうかも。」


意外にも、上村さんが分かってくれた。


「あたしの身勝手な思いで星野さんをここまでさせちゃったから。

……ごめん。」


驚いた。


謝ってもらうなんて、完全に想定外だった。


「……いいよ。

私も、声をあげようと思えばあげられたのに、黙っていたからこんなに大事になったんだよ。」


上村さんが照れたように校庭に目を落として、屋上から出て行った。


たぶん、先生に全て話すため。


上村さんを筆頭に、みんなが謝り始めた。


「ごめんなさい、見て見ぬ振りをして。」

「ごめんな」

「悪かったな」

「ごめんね、もうしない」

「本当にごめんなさい」

「ごめんね」


次々に謝られ、むしろ私の方が混乱してしまった。


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