雨の後は、きっと虹がかかる
「……夏希。
私さ、あの時汚いことを考えていたんだよね。
もしここで大山さんを助けたら、大山さんの中で私の株が上がるんじゃないかっていうずるい計算があったの。
そういう汚さがあったから、いじめられたんじゃないかな、とも今なら思う。」
お互いに全てをさらけ出したらすっきりして、心の底から笑えた。
いつまでも笑っていたい。
……ああ、笑うのって気持ちいい。
心がどんどん軽くなっていく。
へし折られた心も、治癒されていく気がする。
だから、よく笑う人は長生きするのかもしれない。
いつの間にか、空はオレンジ色に変わり、校舎に深い陰影を写していた。
冬だから、日が落ちるのが早い。