雨の後は、きっと虹がかかる
*そして、虹
夏希が帰ってから、屋上には雪村くんと二人っきりになった。
虹がかかっていて、幸せな気分になった。
「頑張ったな。」
雪村くんにそう言われると、涙が溢れてくる。
嬉しいのか、努力が報われた喜びなのか、よく分からない。
でも、悲しくて流している涙ではないからまあいいやと思う。
「……うん、苦しかった、辛かった、……死にたかった。」
こんなことを言ったら引かれると思ったけれど、構わなかった。
「……ごめん、学校休んで。」
「……いいよ、体調が悪かったんだから。
私ね、1回叫んだの。
雪村くんに助けて欲しくて。
そうしたら、本当に来てくれて。」
すごく、すごく、嬉しかった。
それを言おうとすると、ますます涙が止まらない。