雨の後は、きっと虹がかかる
雪村くんが姿勢よく座り直す。
それにつられて私も同じようにする。
「俺、星野がいじめられていたやつを庇った時、本当にいい人なんだなって思ったんだよ。
あんなに人のために尽くす人は初めてだった。
心が綺麗なんだなって思って2年に上がってすぐに好きになった。
……それに、髪の毛が綺麗なところも好きになったんだ。」
わずかに顔が赤くなりながら彼は言いきった。
「……ありがとう。
……気付いていたんだね。
私の髪の毛が地毛だってこと。」
高校に上がってからは髪の毛のことは奇異の目で見られることはあったけれど、直接注意されることはなかったから、誰にも地毛だとは話していなかった。
「……筆箱を拾ってもらった時、近かったから髪の毛がよく見えたんだ。
根元まで同じ色だったから凄く綺麗だなって思って覚えていた。」
「それでか。
……ありがとう。私をちゃんと見てくれて。」