雨の後は、きっと虹がかかる
椅子ごと倒されたと分かった瞬間に、右半身に痛みが走った。
「・・・っ」
じんじん痺れる。
「手ぇつかないとか、ダサすぎ。」
彼女が頭上で笑っているのがわかる。
その周りで、騒ぎ出すクラスの人達。
「・・・うわ、だっせ」
「鈍すぎだろ」
「ばか過ぎー」
「かっわいそー」
「こいつ死ねよ」
「何やってんのー」
動けないでいると、髪の毛を掴まれて、顔を上げさせられた。
「まじでむかつく」
むかつくなら、何もしなければ良いじゃないと思ったけれど、決して口に出さない。
エスカレートするだけだから。
ぐっと唇を噛んで、我慢した。