雨の後は、きっと虹がかかる
着替え終わって、ハチマキと水筒を持って外に出ようとして、あるものが無いことに気づいた。
……ハチマキがない。
鞄に入れてきたのに。
どこかに置きっぱなしにしたのかもしれないと思って探してみたけれど、無かった。
……さっきトイレに行った時に隠されたのかもしれない。
上村さん達がさっきからにやにやしている。
「……私のハチマキ、どこにあるか知らない?」
「ええー?これのこと?」
意外にも、綺麗なままだった。
水でびっしょりになっていた以外は。
「誰のか分からなくて、捨てようと思っていたんだよねー。」
ぱっと私に投げ渡した。
「あ、ありがとう」
お礼を言ったら、何なのって顔で見られたのなんかどうでもいいくらいに安心した。