雨の後は、きっと虹がかかる


目を覚ますと、真っ白い部屋にいた。


……どこ?


首をまわして見ると、保健室らしかった。


「……喉乾いた……」


「……起きた?」


……誰?


顔を動かして、顔を確認すると、雪村くんだった。


「……なん、で」


「覚えてないの?

星野、走り終わった後に倒れたんだよ」


……そうか。私、空を見て倒れたんだ。


「熱中症みたいになっていたから、もうあんなふうに無理するなよ。」


「……分かった。

でも……なんか、飛んだみたいで、楽しかったんだ。」


何言ってんだろ、私。


なのに、止まらなかった。


「あんなに楽しいって感じたの、久しぶりだった。」



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