雨の後は、きっと虹がかかる


ふっと彼の表情が柔らかくなった気がする。


……変な事でも言ったかな。


まあ、この状況も十分おかしいけれど。


「……そういえば、今何時くらい?」


雪村くんが時計を確認した。


「6時くらい」


「……そう。どんどん明るくなるね。これから。」


「体が平気なら、遅くならないうちに帰れよ。」


「……うん。帰る。」


私の素直さに拍子抜けした様子だった。


「べつに、家に帰っても居場所が無いわけじゃないよ。

帰る家くらい、ある。」


「いや、そういうことじゃなくて、……帰ろうよ、一緒に。」


今度は私の方が拍子抜けした。


「……いいけど、家の方向とか大丈夫なの?」


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