雨の後は、きっと虹がかかる


やばいなあ。


安心したら、余計に痛くなってきた。


完全に不意をつかれたやり方だったから、身構えられずに変な所に当たってしまった。


肋骨の辺りがかなり痛い。


我慢して授業をやり過ごしていると、いつの間にか英作文の問題に入っていた。


「……3番が上村、4番が雪村。以上。

指名された人は前に書きに来ること。」


ぞろぞろと指名された人が前に出ていく。


黒板の前で、「これ合ってる?」とか「あ、いっしょー」とか答え合わせが飛び交っている。


「ねえ、雪村くん。これ、この文法で合ってる?」


上村さんも例外なく質問している。


その頬は、緊張のせいか、雪村くんと話しているせいか分からないけれど、赤みが差している。


< 37 / 243 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop