雨の後は、きっと虹がかかる


「……というわけで、1年生から3年生まで皆さん全員が意識を高く持ってください。」


「以上。礼。」


やっと終わった。


この校長先生、話が長い。


後ろの方で、男子達が騒いでいる。


何人かが携帯をいじって話している。


こんなに長い話を聞いていれば、騒ぎたくなる。


そこには同感出来るけれど、私はあの人達とはなるべく関わりあいたくない。


なんだか絡まれると、面倒くさそうだから。


でも、1人だけ話半分の人がいる。


確か、雪村くん。


あの中では一番落ち着いていそう。


何を見ているのだろうと気になって見ていると、視線がこちらに向いた。


悪いことをしているわけではないのに、後ろめたくて、視線を前に戻した。


絶対、変なやつって思われた。


最悪。


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